アメリカ合衆国のトランペット奏者、作曲家。マルサリスは、現代において最も著名なジャズ・ミュージシャンの一人であり、クラシックの奏者としてもよく知られている。ジャズ・アット・リンカーン・センター(Jazz at Lincoln Center)の芸術監督を務めている。マルサリスは、ジャズ・パフォーマンスと作曲の技術、洗練されたスタイル、ジャズとジャズの歴史に関する目を見張る知識、またクラシック音楽の名演奏家であることによって名声を得ている。2006年現在で、16のクラシックと、30以上のジャズのレコードを出しており、クラシックとジャズの両部門で合わせて9つのグラミー賞を獲得している。
ニューオーリンズ出身。父はピアニストのエリス・マルサリス、兄はサックス奏者のブランフォード・マルサリス。クラシック音楽やバスケットボールの大好きな少年だったが、最終的にジャズの道を選び、1978年、ジュリアード音楽院へ入学。1980年、わずか18歳でアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに加入し、プロとしての活動を開始。1981年7月、ハービー・ハンコックのバンドの一員として初来日を果たし、同年バンド・リーダーとしてデビュー。伝統的なアコースティック・ジャズを継承する大型新人として話題となる。その後、クラシック音楽の奏者としても活動開始。1983年、グラミー賞のジャズ部門とクラシック部門を同時受賞。1997年、ジャズ・ミュージシャンとしては初めて、ピューリッツァー賞 音楽部門を受賞。長らく米コロムビア・レコード(ソニー系)に所属していたが、2004年にブルーノート・レコード(EMI系)に移籍した。2006年にはiPodのCMに曲が起用され話題になる。