Wes Montgomery (g)
Mel Rhyne (org)
George Brown (ds)
Paul Parker (ds)
Jimmy Cobb (ds)
Recorded 1959.10,1963.04,10,11
ジャズのアルバムをまだほとんど持ってなかった20歳頃、初めて自分で買ったウェスの盤(なぜかこれが最初)だった。とにかくこのジャケが最高にかっこよく、見た途端にこう音の雰囲気が感じられてすごく惹かれ、勢い買って帰った個人的に思い入れの深い1枚です。あれからもうかなり経つし、ウェスの音源もかなり聴いてきたけど、今でもやっぱりこれが一番かなぁ。riversideの経営が行き詰った後、ウェスが最後に録れたもの(63年10月と11月)が中心に入っている。全てメル・ラインとの共演でトリオ。“the way you look tonight”が始まった瞬間から、ぱあっと眼前に美しい光景が広がっていく。私には“豪奢”“贅沢”…という言葉が浮かんでくる。ソウル・ジャズものに多いシンプルなオルガン・トリオ編成ながら、ビロードの絨毯の上を裸足で(←ひどい例えだが)歩いているような心地。溢れ出る歌心。テーマ演奏後に滑り出すウェスのギター。まるで嫌味なく、それでいてタイトなラインのオルガン・ソロ。今でも心が洗われます。普段少なからずソウル・ジャズも聴いている身としては、ウェスのトリオはあまりに瀟洒。これこそ“ジャズ”なんだと。そう思う。耳が肥えた今聴くととても洗練された音だなと実感する。“geno”のテーマのカッコいいこと!ウェスで最初に聴くアルバムは他でもいいけれど(自分は例外的かもしれないので)、彼の音を何かで聴いて好きになった方、ぜひこれも手に取ってみて下さい。