このオリジナルレコードの土台となったのは、恐らく前年、だから1976年だったかに開催されたチャーリー・パーカーメモリアルコンサートかなんかで初めてソニー・スティットとフランク・ロソリーノが競演した事で話題を呼んで作られたものだったと思う。両大御所が初競演だったとは驚いたんだけれど、一回目にこの演奏を聴いた時、これってミスマッチじゃないのかなあと正直言って思った。スティットは尊大に吹きまくる割りにロソリーノが遠慮がちに聴こえた。やっぱりスティットはJJとかカーティス・フラーなんかがマッチしてて、ロソリーノはボブ・クーパーやチャーリー・マリアーノとが良いんじゃないかななんて思って暫く聞かなかったんだけれどCDが発売されると言うので改めて聴き直してみたんだけれど、やっぱり大御所同士の演奏は凄いと思った。スティットが尊大なのじゃなくて、彼はロソリーノに刺激されて乗り捲っているんだって理解出来たのは恥ずかしながらずっと後だった。またロソリーノはスティットから何かを得ようと謙虚に音楽を見つめていたんだろうね、きっと、それが未熟な自分には遠慮がちって見えちゃったんだと今になってはそう思う。ウエストコースターのロソリーノが以前マックス・ローチやベニー・ゴルソン、リー・モーガン等と共演した時に見せたあの謙虚で探究心旺盛なプレイにを思い出したと同時に、そこまで思われる偉大なプレーヤーなのに相手に刺激されよい意味で競争心丸出しで熱くなれるソニー・スティットの音楽家としての生き方って言うのかな、そう言う姿勢に凄く惹かれたと言うと青臭いかな?一般的にそんなに目立たない1枚なんだけれど、でもそんなジャズメン達が凄く羨ましいと思える1枚ですよ、これは。 |