私が所有するアルバムをご紹介いたします。
Topページ
好きなアルバム
最近聴いたアルバム
YouTube
気になるサイト

  Groovy

 

 

 

 

Full Album   

1950年代後半にレッド・ガーランドがマイルス・デイヴィスのバンドの一員だった頃、デイヴィスは決まってステージを離れて、トリオの形でガーランドを主役に据えたものだった。ガーランドは完璧なジャズピアニストで、独唱者を促すとき、ブロックコードで荒々しくスウィングするとき、浮き立つような活力と明るいアティキュレーションでシングルノートのメロディをつなぎ合わせるときなど、そのときどきに合わせて理想的な和音の範囲を探し当てることができるのだ。実に繊細な演奏だが、装飾過多に陥ることは決してない。トリオを組むレギュラーメンバーは、デイヴィス・クインテットからの才能あふれるパートナーでベース奏者のポール・チェンバースとドラマーのアート・テイラーだ。テイラーのリズムの取り方は確かで、その強弱の絶妙なバランスでバド・パウエルのドラムに選ばれてもいる。ガーランドはその洗練されたハーモニーを直接交流しあう要素と一致させている。即ちその旋律の美しさやリズミカルな躍動、テキサスや南西部のブルースの伝統にしっかりと根ざしたルーツなどだ。これらの要素はエリントンのミニマリストの傑作C-Jam Bluesの中くらいのテンポのスウィングから、Willow Weep for Meに活力を与えている深みがあって憂鬱なブルースに至るまでどこを見ても明白だ。50年代後期のガーランドのプレステージ・レーベルでのレコーディングは、モダンジャズにおけるピアノトリオの模範となっており、『Groovy』はその中でも最高の作品だ。

1. C Jam Blues
2. Gone Again
3. Will You Still Be Mine?
4. Willow Weep For Me
5. What Can I Say (After I Say I'm Sorry)?
6. Hey Now

Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (d)

Rudy Van Gelder Studio,
Hackensack, NJ, December 14, 1956

タイトル通りに本当に爽快な一枚。前倒しでドンドン転がっていくグルーヴィーなピアノに、後乗りのベースとドラムスが追っかけごっこをする。この三者の微妙なタイミングのずれがスゥインギーなサウンドを作り出している。ベースのポール・チェンバースの音が良く聞こえてサイコーだ。彼のリーダー作ベースオントップより、こっちのプレイの方が好き。一見(一聴?)フィリージョージョンズと間違えそうな位、やくざな乗りのドラムスのアートテイラーのプレイもカッコイイ。少し控えめのフィリージョーという感じだ。アートテイラーはトレーンのジャイアントステップスでも、ワイルドなドラムスを叩きまくっているけどね。リズムセクションとピアノの絡みを勉強するのにも、これは最適の1枚と言えるでしょうね。

 

 R.ガーランドを称して地味なピアニストといった評価が聞かれる。それは‘50年代中頃、マイルスのクインテットに参加して以来、印象深い演奏を数多く残してきたことが、逆に「影の功労者」的なイメージで見られているのかもしれない。このアルバムでは上記のクインテット時代の合間にトリオで演奏された、言わずと知れた大人気盤である。ここでは従来、マイルスの影で目立ちにくかったガーランドの個性が非常によく出ていて、巷ではよく、1曲目の「C JAM BLUES」の良さばかりが強調されるが、「WILL YOU STILL BE MINE?」「WHAT CAN I SAY,DEAR」といったアップテンポのナンバーにおいても本当にリズム良く、ファンキーなピアノを繰り広げている。また、こんな曲に限って、曲の最後にダメ押しの「ジャ~ン」とやるのも彼独自のスタイルで、今や何となく微笑ましく感じる。実を言うと、P.チェンバースのベースが、ソロの演奏で少しピアノとマッチしていないかなという自論も持っているのだが、仮にこれが弱点であったとしても、陽気なガーランドの本領発揮したアルバムと言えよう。余談であるが、名前の「レッド」については、もともとボクサー出身だった彼が髪の毛を赤く染めていたことに由来している。そういえば、身につけたファンキーなスタイルは、こうした「経験」から求められる瞬時の判断から生み出されていったのかもしれない(考えすぎか)。

 

レッド・ガーランドの名義のアルバムですが、ポール・チェンバースのウォーキング・ベースが聴き所だと僕は思っています。JAZZのベースの良さが分かるでしょうし、音がせまってくるようでもう最高の演奏です!  

 

 

 

 

Copyright © 2011-2015 toppe 2 All rights reserved.
by ジャズアルバム紹介



inserted by FC2 system