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  Take Ten

 

 

Full Album   

ポール・デスモンド (as) が、ジム・ホール (g) という最良のパートナーと組んだ地味だが粋なアルバム。RCAにはこのコンビで何作か吹き込んでいるが、私はこの「Take Ten」(1963) が一番好きだ。いつも控え目でおとなしい(多分…)二人が紡ぎ出す美しく繊細な音で全ての曲が満たされている。ドラムス、ベースはほとんど目立たないので二人のデュオのように聞こえ、ジム・ホールのセンスのいい絶妙なギターと、デスモンドのアルト・サックスの美しく長いメロディ・ラインを堪能できる。縦にダイナミックに動くピアノのリズム、コードに合わせているデイブ・ブルーベックのコンボ参加の時とは異なり、ジム・ホールのギターの滑らかなホリゾンタルな音の流れに、どこまでも柔らかく透明感溢れるデスモンドのアルト・サックスの音が美しく溶け合って、実に洗練された極上のイージー・リスニング・ジャズとなった。

 

1. Take Ten
2. El Prince (Another Session)
3. Alone Together
4. Embarcadero
5. The Theme From Black Orpheus
6. Nancy
7. Samba De Orpheu (Another Session)
8. The One I Love Belongs To Somebody Else
9. Out of Nowhere (Another Session)
10. Embarcadero
11. El Prince

Paul Desmond (as)
Jim Hall (g)
Gene Cherico (b)
Connie Kay (ds)

Gene Wright (b)

Recorded 1963.06

音がスムースで柔らかいので、一聴軽く吹いているように聞こえるが、デスモンドのようにある意味メリハリのないラインと音でアルト・サックスを吹き続けることは技術的、身体的には大変らしい。彼はヘビー・スモーカーでもあったらしく1977年に52歳で肺がんで亡くなった。“黒いオルフェ” のテーマなどボサノヴァの名曲のカバーも勿論素晴らしいが、私は ”Alone Together”や ”Nancy” などのスタンダード・ナンバーの密やかな味わいが好きだ。 "Nancy” はコルトレーンの「Ballads」での演奏と聴き比べるのも一興だ。ジャズにおける曲とその解釈・演奏の違いがわかって楽しい。

 

ジャズの「名盤」てなんだろう。評論家がほめるのが名盤なのか。ポール・デスモンドほど評論家の間で評価の低いサックス・プレーヤーはいない。イージーリスニングとかムード音楽とか悪評サクサク。しかし聴きもしない「名盤」を揃えるのだったらこの一枚を。「黒いオフフェ」、ジム・ホールの澄み切ったギターに抑制のきいたデスモンドのサックスがかぶる。恋人や奥様が「ジャズなんてうるさくていやだ。」なんて言うのだったら、この一枚を聴かせてあげて欲しい。あなたとパートナーの距離が縮まるにちがいない。「しょっちゅう聴いて、一生手放さない」のが名盤の条件だとすれば、これは間違いなく「名盤」です。

 

 

 

 

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