RCA100周年記念の24ビット・リマスター・シリーズ。再びジム・ホールとのコンビネーションを聴かせた63年の作品。甘党のファンにはこたえられないコンビネーションは、ここでも健在。
デスモンドのアルト・サックスは独特だ。くぐもったような暖かみのある独特の音色はすぐにデスモンドだとわかる。RCA時代には、このアルバムを含めて、テーク・テン、デスモンド・ブルーなどのイージーリスニングジャズの嚆矢ともいえるアルバムを何枚も残している。イージーリスニング=聴き易いからといっても、まっとうな音楽だ。たおやかな音色の裏には、静かなデスモンドの情熱が感じられる。「蜜の味」「エンジェル・アイズ」ジャズ・ギターのジム・ホール作曲の「オール・アクロス・ザ・シティー」などのスタンダードがいい。深夜に一人で聴くとお酒が欲しくなる。
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