レオナルド・バーンスタインの名曲をジャズピアノの巨匠、オスカー・ピーターソンがピアノトリオのフォーマットでアレンジ、録音したもの。スイングとしてアップテンポなものからスローバラードまでの選曲で、ピアノトリオらしさとウエスト・サイド・ストーリーらしさを見事に調和させている。調和させているのはピーターソンの演奏能力はもちろんのこと、アレンジセンスが際立っている。Jet Songでは4/4の拍子に変拍子を用いたり、Tonightは元来バラードなのにアップテンポスイングでも気持ちよく仕上がっているし、MariaのミディアムテンポやI Feel Prettyのワルツもどれもジャズの要素を吸収したウエスト・サイド・ストーリーだ。ピーターソンのピアノは他のアルバムに比べると少し控え目な演奏に聴こえるが、その分アレンジの良さが際立つのかもしれない。様々な挑戦を続けるピーターソンだが、またここでも一味違う演奏を楽しめるアルバム。
1. Something's Coming 2. Somewhere 3. Jet Song 4. Tonight 5. Maria 6. I Feel Pretty 7. Reprise
Oscar Peterson (p) Ray Brown (b) Ed Thigpen (d)
NYC, January 24 & 25, 1962