Tristeza on piano

オスカー・ピーターソン（p）、サム・ジョーンズ（b）、ボビー・ダーハム（ds）というパーソナルで、1970年にニューヨークレコーディングされたオスカー・ピーターソン・トリオのVERVEからMPS移籍後の作品。
オープニングの<1>から、そのスピード感あふれるダイナミックな演奏に引き込まれる。ピーターソンのテクニカルなピアノ・プレイが嫌味なく強調され、なおかつポップさを保ちながらも攻撃的な演奏が終始繰り広げられたメリハリのきいた好アルバム。いわゆるジャズ・スタンダード・ナンバーよりも、ボサ・ノヴァや8ビートものといったポップスよりな楽曲を取り上げているのが本作の特徴であろう。
そういった意味でも、「オスカー・ピーターソン・トリオ」としては同じトリオ編成の作品の中で、音楽的に極めてチャレンジ精神あふれる好盤である。数ある彼の作品の中でも、よりポップな1枚としてファンの間でも人気の高い本作は、ポップス、ロック・ファンにも一聴してほしいアルバムである。

1. Tristeza
2. Nightingale
3. I Loves You, Porgy
4. Triste
5. You Stepped Out Of A Dream
6. Watch What Happens
7. Down Here On The Ground
8. Fly Me To The Moon

Oscar Peterson (p)
Sam Jones (b)
Bobby Durham (d)

NYC, circa January, 1970