A Night in Vienna

Live   

2004年、故国カナダのVerve Recordsと契約を交わしたジャズ・ピアノの巨匠オスカー・ピーターソンンが行ったウイーンにけるライヴコンサート。
病気にかかって以来ピーターソンの左手は往年の輝きは取り戻せない、しかし、ここで聴かれるプレイ、特に“ヴェリー・ロング・カナディアン・ウインターに作曲したという”夏を想う曲�Bに見せるロマンティックな味わいは、アート・テイタムを追って、縦横無尽に鍵盤を駆け回ったかつてのピーターソンのバーチュオ−ソ振りとは違う、人生の陰影を感じさせる演奏だ。ちょっと気を緩めれば落涙必死の本作最高の「心の演奏」だ。ウルフも素晴らしいフレーズと、ピ−ターソンに応えるソロでロマンティシズムで“饗宴”に参加する。夏を謳ったルグランの名曲“Summer Knows”に匹敵する忘れられない作品だ！2002年に亡くなった、ピーターソンと所縁の人々、ノーマン・グランツ、レイ・ブラウン、ジョン・ルイスらに捧げて作曲された�Dには、ジャズの歴史の100年の半分以上を共に生きて来た「ジャズの盟友」たちへの敬愛、感謝、鎮魂が込められた静かで哀しい作品だ。往年のパワフルな演奏とは異なる内容だが、ここにあるのは紛れもなく、カナダ・モントリオールに生まれ、ホロビッツが驚愕した“本当のジニアス”アート・テイタムを追走した、稀代のジャズ・ピアニスト、オスカー・ピーターソンのジャズ人生の重みに他ならない。テクニックを超えた音楽がここにある。

1. Intro
2. Night time
3. When Summer Comes
4. Cakewalk
5. Requiem
6. Wheatland
7. The Backyard Blues
8. Satin Doll
9. Sweet Georgia Brown
10. Hymn to Freedom

Martin Drew(Drums),
Oscar Peterson(Piano),
Ulf Wakenius(Guitar),
Niels-Henning Orsted Pedersen(Bass),

Recorded 2003