ジャズ・ヴァイブの最高峰と、マイルス・グループでの活躍で進境著しいコルトレーンの共演が実現した人気盤。
このアルバムもこの時期のコルトレーン他流試合の1つと考えられる作品だ。コルトレーンはこの時期の他流試合の中で自らのスタイルと方向性を見つけ出した。特にセロニアス・モンクとの作品でシーツ・オブ・サウンドを掴んだことが有名だが、このアルバムでも知的な『bags』から多くのものを掴んでいると思える。
ただこの二人は目指す方向がある意味正反対である。二人ともが横向きでミルト・ジャクソンのフレージングを観察しているようなコルトレーンを写したアルバム・ジャケットの写真がこの作品を良く表していると思う。コルトレーンがこのセッションに求めたのはアルバムとしての完成ではなく、ミルト・ジャクソンのセンスの吸収だったのだ。そういった『意図』を想いながら聴くというのも一興だろう。
|