lou donaldsonとstanleyの兄tommy turrentineが、当時新人だった(!)john patton、grant green、ben dixonのマジック・トライアングルのリズム隊と初共演した盤がこれ。録音は62年5月。当時blue noteにあってじわじわとブルース/ソウル色の濃厚のセッションが組まれ出した時期で、結果的にコレが真打ちになった観がある。何しろlouのソウル/ブルースの下町テイストが全開!いや〜泥臭い。tommyは多芸な人だが、独特の浮遊感でここでも安定している。思えば、pattonとgreenはソウル色濃厚なブルース(バップに非ず)を軸に据えつつ、芯までコテコテに浸り切らず、サラリとディクシー以来の“ジャズ”をミックスしえている稀なプレーヤーだったと思う。冒頭“funky mama”こそコテコテ色強し(それでもそこかしこに洗練されたコード感が匂い立つ)だが、“sow belly blues”は凄い。万華鏡。louこそコテコテに鳴らすが、ソロイストが移るにつれ、泥臭いムードがどんどんと洗練されてくる。greenもすぐにcharliechristianを連想させる優れたラインを発揮。これがイイ!実はpattonもgreenもdixonも“アブストラクト”なんである。聴き込むことで魅力の増す、これも“スルメ盤”の1つ。個人的には傑作だと思っている。 |