1950年代のハード・バップ全盛期の中で,幾つかの新しい方向性が模索され,目先を変える意味で,ルー・ドナルドソンはコンガを入れたジャズを打ち出したといわれています。そういえば,ブルース・ウォークというアルバムもコンガ入りだった。正統的ジャズ・ファンからはコンガ入りというのは異端で,敬遠されることもあるようですが,このブルージーでソウルフルといわれているドナルドソンのアルバムを聴いたら,コンガの有無はどうでもよくなるでしょう。1曲目はアップ・テンポの快調な乗りのアルトが聴けます。3の2曲目(2はボイス)はブルージーな曲,4の3曲目はカリプソ・ナンバーのため,陽気で楽しい演奏です。コンガのソロもありますが,コンガはこういう曲に相応しいと思います。4曲目は旋律豊かなテーマ曲で,アルトが気持ちよさそうに演奏しています。5曲目も4曲目同様ミディアム・テンポで演奏された,旋律豊かなアルトが心地よいものです。6曲目は哀愁のあるテーマ曲で,スロー・テンポのアルトがどことなく淋しさを表現しているようです。7曲目はミディアム・テンポで,乗りのよい演奏です。本日初めてこのアルバムを聴いたのですが,どの曲も耳当たりがよく,とても心地よい演奏でしたので,ビギナーの方は是非お聴きください。 |