久しぶりに本作を聴いてみた。小生は、神田神保町にあったJAZZ喫茶「響」で本作をよくリクエストしていた。Masterに薦められて、一耳惚れ。すぐにTonyレコードに走ってAnalog盤を買い求めた、(この当時はキングレコード盤だった。キングレコード盤は、音づくりが巧みで、後に出た東芝盤よりオリジナル盤に近い音づくりをしていた。)この東芝盤は、Analog盤に迫るよい音づくりをしている。廉価盤として出ている今こそ"買い"だ。ここでのDrewの演奏には、Dark Beauty以降の諸作と全く異なる灼熱の炎を感じる。それはDrew自身がもっていたというより、やはり黒人の意識が高揚し、反差別運動に向かった時代の熱さが伝搬したとしか考えられないのである。Modern Jazzの黄金期が、マイノリティが自己の存在のすべてを日々のくらしの様々なところに放ち続けていた日々に重なることを忘れてはなるまい。そして、ここでの5人のImprovisationは、日々のくらしのあちこちに閉塞感を感じながらも、それに甘んじている今の自分を撃つのである。
この盤の評価が低い意味が解らない… 曲良し演奏良し録音良し、ここまで完成度の高いハードバップの記録は少ない。紛れも無い名盤でしょ?まずサム・ジョーンズ(ベース)とルイス・ヘイズ(ドラム)は、当時、マイルスより人気が有ったキャノンボールのクインテットのリズム隊!テナーがマイルスが欲しがるくらいの絶好調なハンク・モブレー、ペットがデビュー間もないリー・モーガンを凌ぐ勢いのフレディ・ハバード!もう〜 この年でのベストメンバー(英語の紹介には「CREAM」って最大級の賛辞ですね)最強鉄板!一曲の頭からジョーンズ=ヘイズのコンビは、ぐいぐいとセッションを引っ張って行く。レギュラーでやってる二人ですから阿吽の呼吸だよね。このリズムの抜群の安定感が一期一会のセッションとは思えない高みへと導いたのです、やっぱりサム・ジョーンズは凄いです 「仕切るウォーキング・ベース」とでも言いましょうか(笑)ヘイズもキャノンボール楽団よか気持ち良くプレイ出来てるよね、ソロも悪い時のドタバタした感じが全く無い。ケニー・ドリューは本当に、うっとりする様な美しいピアノ弾くよね。自作曲だし素晴らしい出来だから当然かな。最後のバラードが特に良い! ドリューも良いけど ハバードのペットが実に良く歌うよね。「ヒア・トゥ・ステイ」以降、急激に上手くなる感が有って、それはそれで凄いと思うけど 「歌心」たっぷりのハバードも好きだな。一曲目だけ聴くと余りの上手さに(ちょいモード入ってるしね)まさかモブレーが吹いてるとは思わないだろうけど、この盤はJMのコロムビア盤と同じくらい吹けてます。
|