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  Impressions

88年コペンハーゲンで録音されたケニーのトリオ三部作の中の代表作。ペデルセン~クイーンという欧州最高のサイドメンを得て、ケニーの個性が見事に発揮された80年代の代表作。パリにちなんだ選曲がケニーの叙情性とマッチした秀作。
ケニー・ドリュー、マル・ウォルドロン、ナット・アダレイ、バルネ・ウィラン、ファラオ・サンダースなどの本国アメリカで「置き忘れられた」ジャズメンたちを「再発見」し、90年代初頭に録音を続けた、日本の生んだ名レーベル「アルファ・ジャズ」がうれしい事に続々と再発された。ケニー・ドリューはリヴァーサイドなどから50年代、60年代に名盤を数枚出すものの、アメリカのジャズシーンではほとんど忘れ去られた存在だった。要するにビル・エヴァンスやオスカー・ピーターソンのような際だった個性がない。ということらしい。しかし、このアルバムを聴いて欲しい。革新的でなかったからアメリカのジャズシーンに受け入れられなかっただけで、リリカルで繊細なピアノは、ほんとうに美しい。ヨーロッパの美しい情景が目に浮かぶ。原哲夫氏、木全信氏などの日本人プロデューサーの実力は、たいしたもんだ。当然5つ星。ドリューはこのアルバムを含めてアルファ・ジャズからヨーロッパをテーマに3部作を録音しているが、この作品がベストだろう。

1. Impressions
2. Evening In The Park
3. Cafe Flore
4. Autumn Leaves
5. There Is No Greater Love
6. My Ship
7. Rouge Blues
8. Morning Mist
9. Last Tango In Paris
10.The Way We Were

 

Kenny Drew (p)
Niels-Henning Orsted Pedersen (b)
Alvin Queen (d)

 

Copenhagen, Denmark, August 1-3, 1988

残念ながらジャズに関しては造詣が浅い僕は,「パリ北駅着、印象」などというタイトルだけに惹かれて本作を購入してしまうミーハーぶりで,本当のジャズ・ファンからは「動機が不純だ」とお叱りを受けてしまうかもしれないが,そんな僕みたいな素人から見てもこのアルバムは素晴しい。ヨーロッパにちなんだスタンダードなどを中心に優雅で気品と落ち着きのある楽曲の数々に心癒されること間違いなしの傑作である。名曲「枯葉」や「追憶」では穏やかなタッチの中にさりげなく哀感を忍び込ませ,「ラスト・タンゴ・イン・パリ」では奔放に舞い,「Evening In The Park」や「Morning Mist」では優雅に振る舞う。多彩で味わい深いドリューのピアノはさすがの一言に尽きる。主役のドリューだけでなく,要所を締めるペデルソンのベースも最高だ。ドリューのしっとりとしたピアノの調べで穏やかに幕を開ける「パリ北駅着、印象」では,ペデルソンのベースがしなやかにうねりながら,軽妙で小粋なアップテンポの中盤へと誘う。「No Greater Love」では,ドラムのクイーンと迫真の掛け合いを演じ,「Morning Mist」では穏やかだが流麗なソロを展開する。ジャズの奥義を極めようと極限まで自分を追い込むようなストイックなスタイルではなく,穏やかに心地良く流れるいわば「自然体」なところが,ジャズ・ファンならずとも多くのリスナーの琴線に触れることは間違いない。そういう意味では入門者にもお薦めの一枚。

 

 

 

 

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