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  Dark Beauty

 

Full Album   

ケニー・ドリューというピアニストはアメリカで活動時は比較的、暗い印象を与えるピアニストだった。しかし1970年に人種差別問題に嫌気が差しデンマークに移住すると、その演奏は瞬く間に明るいものとなり、演奏に質も格段に進歩した。このアルバムは1973年、彼と盟友ベーシスト、ニール・ペテルセンとのピアノトリオ演奏であるが、まるでこれまでの苦しさからすべて解放されたかのような極めて明るく、美しい演奏になっている。人間とは環境の変化でこうも変わるものかと驚かされるほどの好演奏である。彼はデンマークを終の住処とし、生涯アメリカに帰ることはなかった。ヨーロッパに移住した黒人ジャズメンは多くいたが、彼ほど幸せな晩年を送ることができたジャズメンはいないだろう。余談だが、ジャケットが大変すばらしい。「ダークビューティー」黒人の美、この美しいタイトルとジャケットから彼が、デンマークに移住しても、黒人としてのアイデンティティを意識していたことを垣間見ることができる。とくに女性の方にこの演奏は好んで聞いたいただけると思うので、是非お薦めしたい。

 

1. Run Away
2. Dark Beauty
3. Summer Nights
4. All Blues
5. A Felicidade
6. It Could Happen To You
7. Love Letters
8. Silk Bossa
9. Blues Inn
10. In Your Own Sweet Way
11. A Stranger In Paradise

 

Kenny Drew (p)
Niels-Henning Orsted Pedersen (b)
Albert Heath (d)

 

Copenhagen, Denmark, May 21, 1974

最高のトリオが長年培ってきたものが、ここで満開しているのです。さらには曲もイイのです。タイトルを見ただけでメロディーが浮かぶほどの名スタンダード揃いですし、ドリューのオリジナルも最高です。名演と名曲、これが見事に調和してこの名盤が生まれたわけです。


バップピアニストとしての活躍を知る以前に、このアルバムからケニー・ドリューを知った世代である。初めて聴いた時、演奏そのものより、その録音にびっくりしたものだった。ピアノやベースの音がたいへんクリアなのだが、なんと言ってもアル・ヒースのパタパタドラムの音が今までのジャズレコードの概念と全く違っていたのだ。その派手なドラムに負けないくらいのドリューのピアノが左右いっぱいにどーんと広がる音作り。ペデルセンのベースも、かなり響いてくる。三者の音がそれぞれ強烈に自己主張しているのに、この一体感とグルーブ感は何だ!?この時代のスティープルチェイス盤共通の音作りは一世を風靡した。ケニーにとってヨーロッパに移住したことは、大正解であったに違いない。文字通り擦り切れるまでレコードを聴いて、アドリブもすべて覚えているくらいだ。今のレコードは何枚目か。これも大音量で聴いて欲しい。傑作!

 

 

 

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