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  Standards In Norway

「In Norway」は89年10月オスロでのライブ。その9日後にケルンで行ったライブが2枚組アルバム「Tribute」。ジャケットの淡い色彩や、[1]All Of You の軽快なオープニングが思い出されて、キース・トリオによるアルバムの中でも手を伸ばす回数が多い。選曲はオリジナルが無くスタンダードばかりで、緩急のバランスも1曲の長さも程よい加減。他のアルバムに聴けるような神懸りの瞬間がこのライブには少ない気もするが、その分リラックスした素晴らしい演奏が展開され、超極上のピアノトリオ・ジャズとなっている。
1. All Of You
2. Little Girl Blue
3. Just In Time
4. Old folds
5. Love Is A Many-Splendored Thing
6. Dedicated To You
7. I Hear A Rhapsody
8. How About You?

Keith Jarrett (p)
Gary Peacock (b)
Jack DeJohnette (d)

 

"Konserthuset", Oslo,
Norway, October 7, 1989

変化を求めるファンからは、相変わらずのコンスタントなペースでのCD発売に批判を受けとりますが、キースのスタンダーズトリオももう還暦。これまでと全然ちゃうこと始めなさい、いわれてもなあ。ですから、このトリオのCDは相変わらず増え続けて、ファンでもどれを選べばええんか分からん。1989年オスロでの本ライブ、忘我のジャズ本来の境地と叙情性が一番よう実現しとる。何よりゲーリーのベースがしばしば前に出てきてインプロビゼーションをリードしとる瞬間がようけあるし、キースの音もクリアで叙情的な音がホールによう響いとる。全編に亘りミュージカル中心の、素材となる原曲が実にうまく選ばれとる。Little Girl Blueでのキースは甘すぎず、辛すぎず、ゲーリーが当意即妙のソロを入れとるのが、1990年ライブのBlame It on My Youthに通じる。Just in TimeはキースのDVDライブで聴くことができる3人の即興インターラクションが聴けるが、DVDのように長過ぎないところがエエ。Love is a Many-Splendored Thingがこの日のピーク。マイルス的な即興、すなわちリーダーからのテーマの提示 -> だんだんノって燃えながら相互作用開始 -> ソロの応酬 -> リーダーがテーマを総括するように再現してシメる、という展開が理想的やし、Dedicated to YouやI Hear a Rhapsodyは前半ソロが実に美しい、凛とした高山植物のような演奏やわな。キースの一押しのトリオライブでしょう 。
キースのCDにしては、日本ではあまり知られていないようであるが、高地に咲く高山植物の花のような一見めだたないがきれいで分かりやすい曲がちりばめられている。Little Girl Blueの静かで美しいメロディ。Love is a Many Splendored Thingはミュージカルからの曲であろうか、楽しい舞台の雰囲気が伝わってくるような演奏である。そして続くDedicated to youは静かな主題から始まり、少人数クラブでの演奏のようにトリオが淡々と演奏する。総じて、肩の凝らない、スタンダード各曲を心いくまで楽しめるくつろいだ演奏といえると思う。

 

 

 

 

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