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  The Melody At Night, With You

 

Full Album   

慢性疲労症候群という聞き慣れない病気のため、しばらく活動を休止していたキース・ジャレットは1998年録音の本作によって見事に復活した。自宅のスタジオで録音したソロ・ピアノ集。曲は<6>のメドレーの後半に自作を配している以外はすべてスタンダード&トラッド。それまで部分的にソロ・ピアノでスタンダードを演奏することはあっても、本作のようなソロ・ピアノによるスタンダード曲集というのは、キースにとってこれが初めてのことで、その点でも特筆すべき作品。アプローチはいたってシンプルで、いかにメロディの美しさを伝えるか、その一点に心血を注いでいるかのような演奏だ。変わったアレンジで驚かせてやろうなんて下心は微塵もなく、誠心誠意、原曲の美しさを際立たせる純真無垢なプレイに徹している。この曲、こんなに美しい曲だったっけと感じ入る瞬間が何度も訪れる。すべてゆっくりしたテンポの演奏。バラード集といっていい内容だが、単なるバラード集ではなく、そこには敬虔(けいけん)なムードに包まれたキースならではの世界がある。
1. I Loves You Porgy
2. I Got It Bad And That Ain't Good
3. Don't Ever Leave Me
4. Someone To Watch Over Me
5. My Wild Irish Rose
6. Blame It On My Youth/Meditation
7. Something To Remember You By
8. Be My Love
9. Shenandoah
10. I'm Through With Love

Keith Jarrett (p)

 

New Jersey, 1998

97年頃から重度の慢性疲労症候群に悩まされていたという、キースの復活第1弾。彼にとっては初めての、スタジオ録音によるソロ・スタンダード集だが、曲解釈もさすがだし、メロディを紡いでいくようなそのプレイは瑞々しく美しい。キース・ジャレットという人の演奏の中でひときわ異彩を放ち、最も美しい1枚、それがこのアルバムです。題にあるとおり、なんとも形容しがたい演奏なのです。ただ、ただひたすらに美しい。しかし、あとにも先にもこのような演奏はキース自身でもこの1枚しか行っておらず、このあたりがジャズらしいというか、本当にキースが自分の部屋にふっと現れて、ピアノを弾いてくれているような。そんな感じに今の私には思えました。キース特有の唸り声も全くと言っていいほど入っておらず、あれが苦手な方にもお勧めできます。全ての音楽ファンに聴いていただきたい1枚です。

文句なく、本作品はキースの最高傑作だと思います。5 - 7分程度のスタンダート曲が淡々と演奏されていきますが、自宅での録音であるためか、または病気療養中であったためか、いつもの唸り声も聞こえません。しかし、その演奏の精神状態は内的にとてもintensiveなものであることが、それぞれの曲のメロディの訴えかけてくる強さから分かります。Blame It on My Youthはライブ盤のものよりさらに美しく、青春を回顧させます。Shenandoahは訥々とでも激しく新たにチャレンジする勇気を与えてくれます。何度聴いても、心が和らぐと同時に、希望を与えてくれます。私の幼い子供もなぜかこのCDを聴くと、機嫌が良くなります

キースジャレットと言えば、ケルンしか好きになれないアンチジャズファンも、このCDは絶対好きになれるでしょう。メロディが心に突き刺さる感じがします。でも少し悲しすぎるかも?横にいる音楽に疎い家内も、「この人はきっと死ぬことを考えて、子供の時のことなどを回想しながら弾いている」と言ってましたが、後で病気療養中の録音と聞き納得しました。ある意味、悲しいですが、癒されます。ハッキリ名盤です。

 

 

 

 

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