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  Jasmine

 

Full Album     

2007年、キース・ジャレットの自宅にあるケイヴライト・スタジオにて録音。録音エンジニアにはマーティン・ピアソンを起用。マスターはMSMスタジオで行われている。 まずキースはこの作品の帯にこう書いている。『Call your wife or husband or lover in late at night and sit down listen.』。たくさんの古きラヴ・バラードを盟友チャーリー・ヘイデンとのデュオで聴けるこのアルバムにふさわしいコピーだ。ピアノの音色は当然自宅のケイヴライト・スタジオなので、名盤『The Melody At Night, With You』に非常に近い。ただ、あの頃は体力的にもやっと復帰した時期だった訳だが、かなり回復した今のピアノは快活で優しい。文句のつけようがないステキなアルバムである。ぼくは特にラスト・チューンである『Don't Ever Leave Me』が気に入った。キースの言うとおり最愛の人と聴きたいアルバムだ。
1. For All We Know
2. Where Can I Go Without You
3. No Moon At All
4. One Day I'll Fly Away
5. Intro - I'm Gonna Laugh You Right Out Of My Life
6. Body And Soul
7. Goodbye
8. Don't Ever Leave Me

Keith Jarrett (p)
Charlie Haden (b)

 

Recoded 2007

いつものECMのキースジャレット作品と同じで、CDケースの外側に紙製のアウターケースがついています。これがとても上品で美しくて、質感があります。これは写真ではわかりづらいですが、手にした感触は抜群に良いものです。さて肝心の曲はどうかというと、凝縮された空気感というか、買って良かった!という満足感に浸れます。手元に届いてから、ずっと聴いています。ピアノとベースだけって言うのも良いものですねえ!
慢性疲労症候群からようやく回復しソロでスタジオ録音した傑作「Melody at night, with you」を髣髴とさせる静謐で美しいスタンダード・バラード集。嬉しい事に偉大なベーシスト、チャーリー・ヘイデンとの約30年振りの共演盤でもある。自らの闘病と治癒の経験から得られた貴重な結実であったパーソナルなアルバム「Melody at night, with you」から敷衍して、今回は現代の病んだ世界に暮らす人々をこの作品で少しでも癒したいという思いがあったのではないか。
ジャスミンは芳香を放ちながら夜に咲く花、そのようなアルバムだから、
Call your wife or husband or lover in late at night and sit down and listen.
とライナーノートが締めくくられている。これを以て軟弱なジャズであるとか、イージーリスニングに堕しているとか批判する事は簡単だが、私は決してそうは思わない。辛い闘病を経た上での彼の発言は断じて軽々しいものではないし、実際このアルバムにこめられたキースの真摯な思いは聴く者の心の奥深くまで届く。そう、良き伴侶、良き恋人とこの美しい音楽を聴きながら静かな夜を過ごす事は人生においてとてもとても価値のあることなのだ。
久々に僕のイメージ通りのキース・ジャレットだと思いました。同時期に発売されたソロ・ライブよりもこちらのほうが素晴らしいと思います。スタジオで静かにゆっくり作りましたという感じ。チャーリー・ヘイデンは勿論パット・メセニーとの「ミズーリの空〜」で僕の評価はゆるぎない人ですが、このアルバムでもキースの良いところを全て引き出してくれていると思いました。同じような作品をもう少し作ってもらえないかナァ。就寝前に聞くと一日の疲れが癒されますね。
70年代に数多くの競演作をリリースしてきた2人の久しぶりのリユニオン盤。最近のピアノとベースのデュオでは、鈴木良雄の「My Dear Freinds」が個人的な愛聴盤だが、それに勝るとも劣らない出来の良さ。しかしながら、スタジオで時間をかけてしっかり創り込んだ前者に比べて、キースとヘイデンのは、自宅スタジオで吹き込んだという気安さもあるのか、前打ち合わせも適当に、2人でざっくばらんに楽しんだおしゃべりを、こちらもそっと聴かせてもらったような趣がある。レギュラートリオでデジョネットのドラムスに鼓舞されて、早いパッセージやダウントゥーアースなフレーズを繰り出すキースも好きなのだが、今回のデュオではメロディの一音一音を慈しむように弾き語る。ヘイデンのベースは決して前に出ることなく、それに寄り添うようにバッキングに徹する。個人的にアルコが好きなので一曲くらい披露して貰いたかったが、それも高望みと言うべきだろう。できればネット上でそれぞれの曲の歌詞を探し出し、その意味を噛み締めながら、2人の枯淡ともいえる芸風を楽しむとより一層味わい深いかもしれない。
キースのDVDの最後の方で、「成熟すると、いやこの言い方はやめておこう、、多くの経験を積むと演奏はシンプルになる」といった内容のことを発言していました。"melody at night"やトリオの近作、そしてこの作品はまさにこんな感じがします。キースのスタンダードはどの作品を聞いても、いつもフレッシュな感じがします。これは手垢がついているようなチューンでも大切に扱い、曲そのものに向かい、一体化しているからと思います。何も引かない、何も足さない(何かのCMみたいですが)、曲を愛して曲の中に漂う、そんな演奏が、人によってはイージーリスニング風に聞こえるって、これほんとはとてつもなくすごい事だと思います。
ついにリリースしましたね!この路線のアルバム、いつか出すと思ってました。今後もまた出すかもしれませんね。ざっくり言えば「melody at night with you」と同路線。安心して聴ける、とても聴きやすいアルバム。キースの数ある作品のなかでも聴きやすいやすいアルバムBEST3に入ると思います。BGMに最適です。カフェに合いそう。ただそれだけに安易なイージーリスニングジャズと紙一重な感じは否めません。ではそれらとこのアルバムの何が違うか。それはキースのピアノの一音一音の研ぎ澄まされた音色(ねいろ)、響き、タッチの素晴らしさに尽きると思います。ボブディランの曲をカバーし、歌い、フリーにのめり込み、マイルスバンドでエレピを弾き、ソロピアノに目覚め、半世紀に渡って即興演奏の道を探求し続けたキースだからこそ出せるこの音。やはり説得力が違います。逆に言えば、このアルバムでは他のキースのアルバムで聴けるような爆発する創造力や即興演奏への探究心を感じることはできません。音質的にはあまり良くはないかもしれません。melody at night〜と同様自宅スタジオで自分で録ってますから。他の作品やいわゆるECMサウンドとはほど遠いです。でもこれが逆に今のありのままの研ぎ澄まされたキースをよく表しています。これは問題作ではないですが、長年の熱心なキースファンにとってはなんだか考えさせられるアルバムです。ここで聴けるキースのピアノは唯一無二とはいえ、これが彼の本質では"ない"、少なくとも"なかった"ことは間違いないです。昔のキースならこんなアルバムは恥ずかしくて作れなかったはず。キースの心髄を知りたいならやはり70年代あたりの作品を聴くべき。聴きやすさでいえば「My Song」あたりが初心者には向いているか。もっと言えば、このアルバムやmelody at night〜をキース初心者にはあまりお薦めしたくありません。これがキースのすべてだと思われては困るから。ですが、ジャズ初心者にはお薦めできます。こんなにシンプルで素晴らしいジャズスタンダードアルバムは以外とないですから。やはりキースだから成し得たわざ。ベースがチャーリヘイデンでなくゲイリーピーコックだっとしてもこの作品の内容にたいした変わりはなかったと予想します。もちろんチャーリーのベースは素晴らしいですが、このアルバムで聴くべきはやはり研ぎ澄まされた心でピアノに向かうキースが生み出す一音一音でしょう!BGMにして聞き流すことは容易いですが、静かに、真剣に、素直に、このピアノの音と向い合ってみて下さい。きっと素晴らしい感動が待っています。

 

 

 

 

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