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  Belonging

1st set   

2nd set 

74年オスロ録音のヨーロピアン・クァルテットのデビュー・アルバム。同時期に活動していたアメリカン4とは異なった、北欧ならではの透明感あふれる美しい世界が聴ける。初回限定盤。
キースのヨーロピアン・カルテットの第1作で、超名盤「マイ・ソング」より3年前の1974年の録音。「マイ・ソング」の方が真珠の粒のような輝かしい名曲が揃っていて聴きやすく、アルバム全体の統一感・完成度の点で上だろう。しかし、本作には「マイ・ソング」とは違った魅力がある。M1、3、5は北欧の草原を転げ回るような躍動感があり、特にM3のキースの力強いピアノ、M5のヤンのサックスは元気を与えてくれる。M2、4、6は本作の中でスローな曲で、キースのピアノとヤンのサックスのコラボレーションが美しい。M6は若干内省的だが、後半1/3のピアノの展開は「ソロ・コンサート」を思わせるスケールの大きさがある。まとめると、本作は北欧の澄んだ空気を感じさせるサウンドとダウン・トゥ・アースなサウンドが混在しているアルバムだが、泥臭さは感じない。本作は「マイ・ソング」の代用作ではなく、独自の立派な個性をもった、ヨーロッパが生んだECMジャズの佳作である。

 

1. Spiral Dance
2. Blossom
3. Long As You Know You're Living Yours
4. Belonging
5. The Windup
6. Solstice

Jan Garbarek (ts, ss)
Keith Jarrett (p)
Palle Danielsson (b)
Jon Christensen (d)

 

Arne Bendiksen Studios, Oslo,
Norway, April 24 & 25, 1974

北欧のコルトレーンの異名をとるヤン・ガルバレクとキース・ジャレットによる1974年の作品です。メンバーは2人に加えて、パレ・ダニエルソン(ベース)、ヨン・クリステンセン(ドラム)といういわゆる「ヨーロッパカルテット」構成。全曲がいかにもECMらしい内省的なサウンドで占められていますが、カルテットとしての完成度という点では、数年後に同じメンバーでリリースされた「My Song」のほうが数段上を行っていると思います。散文調でややダークなイメージに覆われた作風に対して、若干戸惑いを覚える人も多いのではないでしょうか。それでも。時おり聴かせるヤン・ガルバレクとキース・ジャレットによるあまりに美しい調和には、やはり一聴の価値はあります。でも、どっちを選ぶかと言えばやはり個人的には「My Song」を強く勧めます。

 

今から30数年前、FM東京系列で金曜日の夜に放送されていたトリオレコード提供によるWe Love Jazzという番組(DJは悠雅彦氏)で、初めて Long As You Know You're Living Yours と Spiral Dance を聴いたときの新鮮な衝撃が忘れられない。躍動するキースのピアノ、「ヨーロッパのコルトレーン」と呼ばれていた頃の、荒削りではあるが力強いガルバレクのサックス、シャープで瞬発力のあるクリステンセンのドラムス、そしてダニエルソンの太く締まったベースの音…このベースの音がまた実にリアルに録音されている(ように思う)。同じ顔ぶれによる第2作 My Song の方がおそらくは人気が高いのだろうが、自分はこの第1作の方がずっと気に入っている。この顔ぶれによるアルバムが僅か4タイトルしか存在しないのが実に悲しい。先述の2曲の他、初期の Pat Metheny Group もライブで演奏していた摩訶不思議な譜割りの The Windup も楽しい。またクロージング・ナンバーの Solstice も非常に内省的な、ある種の祈りにも似た響きを持つ佳曲。曲の終盤に聞かれるキースのピアノの美しさには言葉が出てこない。この時期のECMを代表する極めて内容の充実した一枚である。

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