1. Spiral Dance
2. Blossom
3. Long As You Know You're Living Yours
4. Belonging
5. The Windup
6. Solstice |
Jan Garbarek (ts, ss)
Keith Jarrett (p)
Palle Danielsson (b)
Jon Christensen (d)
Arne Bendiksen Studios, Oslo,
Norway, April 24 & 25, 1974 |
北欧のコルトレーンの異名をとるヤン・ガルバレクとキース・ジャレットによる1974年の作品です。メンバーは2人に加えて、パレ・ダニエルソン(ベース)、ヨン・クリステンセン(ドラム)といういわゆる「ヨーロッパカルテット」構成。全曲がいかにもECMらしい内省的なサウンドで占められていますが、カルテットとしての完成度という点では、数年後に同じメンバーでリリースされた「My Song」のほうが数段上を行っていると思います。散文調でややダークなイメージに覆われた作風に対して、若干戸惑いを覚える人も多いのではないでしょうか。それでも。時おり聴かせるヤン・ガルバレクとキース・ジャレットによるあまりに美しい調和には、やはり一聴の価値はあります。でも、どっちを選ぶかと言えばやはり個人的には「My Song」を強く勧めます。
今から30数年前、FM東京系列で金曜日の夜に放送されていたトリオレコード提供によるWe Love Jazzという番組(DJは悠雅彦氏)で、初めて Long As You Know You're Living Yours と Spiral Dance を聴いたときの新鮮な衝撃が忘れられない。躍動するキースのピアノ、「ヨーロッパのコルトレーン」と呼ばれていた頃の、荒削りではあるが力強いガルバレクのサックス、シャープで瞬発力のあるクリステンセンのドラムス、そしてダニエルソンの太く締まったベースの音…このベースの音がまた実にリアルに録音されている(ように思う)。同じ顔ぶれによる第2作 My Song の方がおそらくは人気が高いのだろうが、自分はこの第1作の方がずっと気に入っている。この顔ぶれによるアルバムが僅か4タイトルしか存在しないのが実に悲しい。先述の2曲の他、初期の Pat Metheny Group もライブで演奏していた摩訶不思議な譜割りの The Windup も楽しい。またクロージング・ナンバーの Solstice も非常に内省的な、ある種の祈りにも似た響きを持つ佳曲。曲の終盤に聞かれるキースのピアノの美しさには言葉が出てこない。この時期のECMを代表する極めて内容の充実した一枚である。 |