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  Far Cry

Full Album   

至上無二のパートナーであるリトルが参加した、ドルフィー3枚目のリーダー作。敬愛するチャーリー・パーカーへのトリビュート曲を含み、ファイヴ・スポットほどの爆発力はないものの親しみやすい雰囲気の名盤。
Booker LittleとはFive Spot のライブがあまりにも有名だが、これはDolphyの作品の中では絶対にはずせない。収録された曲はこの後の彼がライブで演奏するおなじみの曲ばかりだ。しかし本当にBooker Littleは素晴らしい才能を持った人だったんだなー。その死はあまりにもあまりにも早すぎる(白血病とはいえ)。Left alone,It's magicはいつ聞いても涙がでるほど切ない。廉価版で再発だなんて・・・買いだ! 曲数は多いがどの曲も味わい深く、またとっつきやすい。まさにドルフィ入門におすすめ、といっても演奏のバリエーションも広く、入門期だけでなくじっくり長く愛せる作品だ。
1. Mrs. Parker Of K.C. (Bird's Mother)
2. Ode To Charlie Parker
3. Far Cry
4. Miss Ann
5. Left Alone
6. Tenderly
7. It's Magic
8. Serene

Eric Dolphy:as,bcl,fl
Booker Little:tp
Jackie Byard:p
Ron Carter:b
Roy Haynes:ds

 

Recorded 1960/12/21

曲のタイトルばかりだけでなく、1曲目からパーカーへの意識がすぐにわかる。パーカーがたまにやる、すごく込み入ったリズムのメロディー、それもガレスピーとユニゾンでやったあれが、ブッカー・リトルとのユニゾンで、いやもちろん違うのだけど、でもここにある。...ともかく、驚くべきは、これが"Free Jazz"と同じ日に録音されているということでしょうね。

A面の3曲、Bird's Mother、Ode to Charlie Parker、Far Cryは全部、パーカー・トリビュート的な曲ですが、なかなか好演奏ぞろいです。前2曲はピアノのジャッキー・バイアード(Jaki Byard)の曲ですが、Bird's Motherは、テーマのあと、リトル(Booker Little)、バイヤード、ドルフィーのバスクラ、カーター(Ron Carter)のアルコ、ヘインズ(Roy Haynes)と順繰りに、自己紹介ソロ?で、いかにもアルバムの一曲目という感じ。そういえば、このアルバムが、ドルフィー=リトルの初共演でしたっけ?Ode to Charlie Parkerは、ドルフィーのフルートも、リトルのトランペットも、リリシズムあふれるソロで、なかなか素晴らしいです。Far Cryは、これは英口語で「非常な相違」という意味ですが、作曲者のドルフィーによれば、「パーカーが生きていた時代の、彼の持っていた強烈なインパクトと、語られはするけれども、ほとんど聴かれなくなっている今のパーカーのポジションとの間のa Far Cryを意味している」んだそうで(ジャケット裏のカスクーナ(Michael Cuscuna)の解説より)。これは、実にドルフィーらしいアブストラクトな響きを生かした感じの佳曲。
B面一曲目のMiss Annもドルフィーらしいアブストラクトな佳曲ですね。ここらを聴いていると、ドルフィーのアルトとリトルのトランペットってのは、音色的に実に相性がいいのだなと思うわけです。バイアードのソロもかなりアブストラクト、と、けっこういろいろ書いてきましたが、このアルバムで私的に圧巻だったのが、B2のLeft AloneからB3のTenderlyへの流れです。Left Aloneは、泣きのマクリーン(Jackie McLean)が堪能できる、作曲者ウォルドロン(Mal Waldron)のバージョンも好きですが、このドルフィーのフルートによるバージョンもとても素晴らしいです。なんと形容したらいいんでしょう?暗さに沈んでいかない透明な美しさをたたえている・・・とでもいいましょうか。誰かもっと的確な表現があったら教えて〜でもって、Tenderlyは、ドルフィーのアルトの独り舞台。この無伴奏アルトで演奏されるスタンダード、ゾクゾクしますです。くぅ〜たまらんっ!て感じ、ラストのIt's Magicは、割と普通っぽい演奏ですが、ドルフィーのバスクラ・ソロも、バイヤードのソロもなかなか良い好演奏です。あ〜オリジナルが聴きたいっ!

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