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  Black Byrd

 

Full Album 

 

ジャズ・トランペッターとして活躍した、それまでのキャリアから大きく方向転換した記念碑的作品。ストリートに目を向け、渋いダミ声で愛や連帯を叫んでいる。バックにはジョー・サンプルなど、70年代を代表するスタジオ・ミュージシャンが集結。

1. Flight Time
2. Black Byrd
3. Love's So Far Away
4. Mr. Thomas
5. Sky High
6. Slop Jar Blues
7. Where Are We Going?

Fonce Mizell (tp, vo)
Donald Byrd (flh, tp, vo)
Roger Glenn (fl, afl, sax)
Joe Sample (p, el-p)
Fred Perren (el-p, syn, vo)
Dean Parks (g)
Wilton Felder (el-b)
Harvey Mason (d)
Bobbye Porter Hall (per)
Larry Mizell (vo, arr)

 

The Sound Factory,
Los Angeles, CA, April 3, 1972

ドナルド・バードは典型的なハード・バップ・トランペッターとしてデビューし、クリフォード・ブラウン亡き後のトップバッターという存在として50年代後半から60年代を牽引して来た。そのつややかで歯切れのいいトーンとフレーズは捨てがたい味を醸していた。しかしハード・バップが翳りを見せ始めた60年代から70年代は新たな展開に迫られ、フリー・ジャズ、モード・ジャズなどが次第に台頭するようになる。同時にCTIなどに代表されるイージー・リスニングやクロス・オーバー、フュージョンといったよりポピュラーな路線も準備され多くのミュージシャンは自らの音楽的立場と生業の狭間で苦しい選択を迫られることになった。マイルス・デイビスのような数少ない天才は常に時代を自らの力で切り開き、実験が主流へと導かれ、同時に商業的な成功も後からついてくるという離れ業を演じた。しかし少数の例外を除いて、70年代に入ってからの多くの才能あるミュージシャンは、その才能ゆえ、多かれ少なかれコマーシャリズムと手を結ぶことになった。それは決して全面的に批判されるべきものではないのだが、自らが後に音楽的方向性を見失うという悲劇に見舞われた事象も多々あったことは事実であろう。そうした中、ドナルド・バードも本アルバム「ブラック・バード」でエレクトリックサウンドを導入し、成功を収め一躍ヒットチャート上位に躍り出たのであった。僕はマイルスや器用なフレディー・ハバードの変節を見てきたが、ドナルド・バードのときは「ブルータスお前もか?」という心境であった。ただし、このアルバムはそうはいっても大変いい出来で、そこいらのフージョンなど足元にも及ばない内容である。また、この頃から大学教授としてステイタスを獲得したバードはまさに成功者なのだろう。これは致し方ないにせよ、ハード・バップのバードへの愛着を断ち切れないのは僕だけではあるまい。
フュージョンの先駆けと言われているこのアルバムですが、いわゆる“フュージョン”ではないです(つまらない類)。全体的に軽い感じの曲構成になっていますが、バードをはじめとした豪華なメンバー(ウィルントン・フェルダー、チャック・レイニー、ハービー・メイソン、コーネル・デュプリー、ジョー・サンプル等など)だけあって聴き応えのあるビートになってます。強力なリズム隊にからむフルートやキーボードも素晴らしいですが、全体をしめるようなバードのトランペットは秀逸です。ジャズを聞いてみたいけどとっつきにくいという方にぜひお勧めしたいです。ジャンルとしてでなく音楽の一つの形としてのジャズを楽しめると思います。

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