ドナルド・バードが1963年にリリースした先進的野心作。彼の精神的ルーツが色濃く表れた作品だ。一番の特徴はやはり男女混合コーラスによるゴスペル色。形式としてはガッチリと構築したものではなくて自由な味付け。他、眩しいヴァイヴあり、モブレーの叙情的なフレージングにひたれるテナーあり、バレルのブルースフィーリングたっぷりの渋いギターあり、ピアノのハンコックも好演しているが、どうだろう一枚通して聴くとかなり竜頭蛇尾な感も否めない気がする。音楽的意義としては高い試みだが、単に音楽的グルーヴを楽しむ上ではやはり中だるみ・退屈しちゃうね。どっちつかずでまごつく。とりわけ彼のトランペットプレイが大好きな僕としては、なんとも微妙である。ただスター性がよく出てるジャケは眺めてて飽きないが。
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