ウィントン・ケリー以下豪華メンバーに囲まれたジャマイカ出身トランペッターのコレクターズ・アイテム
小粋なオリジナル<ザ・レイク>、スタンダード曲<アイル・クローズ・マイ・アイズ>以下、歌心ある快演。
ジャマイカ島出身ハード・バップ系トランペッターのブルーノート2枚目となるリーダー作。モブレーやウィントン・ケリーらの強力なバックアップで、豪快かつ王道的なハード・バップを披露。デジィー・リースのテーマ・メロディの提示が2拍ほどもズレはじめる。気づいたポール・チェンバースが、喉自慢の伴奏みたいに、あわててずれた方に合わせ始める。(優しい人だ) ウイントン・ケリーは「おい、狂ってるぞ!」と言わんばかりに左手をバーンと強打して警告する。ところが、ハード・ボイルド・モブレーさんが、委細構わず24小節目あたりで「知るか!」という感じで、本来のリズムのカウントで入ってくる。だもんだから、チェンバースもケリーも「おやおや、もう知らん」みたいな感じになっている。普通なら取り直しするのが常識でしょう。それを、そのまま残したのは誰の意見だったのか。こんなハプニングがそのまま聴けるのが、逆に面白い。この日はハンク・モブレーが調子が良かったようだ。 |