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  Basie Swings / Bennett Sings

ジャズ界のみならず、アメリカを代表するボーカリスト、Tonny Bennett と、アトミックバンドと呼ばれ絶好調のベイシーバンドとの共演盤。当時 Tonny Bennett は32歳、後に醸し出す大物の風格はまだなく、ベイシーバンドとの相性も最高とは言い難いものの、既に名実共に最高のビッグバンドの一つであったベイシーバンドと互角に渡り合うあたり、ありあまる才能の片鱗を見せています。ただ、せっかくの共演なのですが、ベイシー自身は Life Is A Song、Jeepers Creepers にしか参加していません。ベイシーはボーカリストの伴奏をあまり好まなかったと伝えられていますが、なかなかどうして、ベイシーが参加した2曲は他の曲よりバンドのノリがいいように感じますし、Jeepers Creepers で聴かせるベイシーのソロはお決まりのフレーズながらもやっぱりいいなあと思います。ベイシー抜きの演奏の中では、お祭り男 Sonny Payne (dr) が楽しそうに叩いてる様が目に浮かぶような Strike Up The Band、意外にもベイシーがほとんど録音を残していない Chicago(他に残されているのは High Voltage のみ)、リズム職人、Freddie Green (gt) によるアルペジオの歌伴が聴ける Growing Pains などなど、聴きどころは満載です。ちなみに近年の再発で付け加えられた After Supper は'50〜'60年代のベイシーを語るうえでの最重要人物の一人、Neal Hefti (arr) の作。インスト曲に歌詞をつけたものですが、なかなか味のある作品になっています。

1. Life Is A Song
2. With Plenty Of Money And You
3. Jeepers Creepers
4. Are You Havin' Any Fun
5. Anything Goes
6. Strike Up The Band
7. Chicago
8. I've Grown Accustomed To Her Face
9. Poor Little Rich Girl
10. Growing Pains
11. I Guess I'll Have To Change My Plans
12. After Supper

Count Basie (p on 1&3),
Ralf Sharon (p on 2,4-12),
Freddie Green (gt),
Eddie Jones (b),
Sonny Payne (dr),
Snooky Young, Thad Jones, Wendell Cully, Joe Newman (tp),
Al Grey, Henry Coker, Benny Powell (tb),
Marshal Royal (as,cl), Frank Wess (as,fl),
Frank Foster, Billy Mitchel (ts), Charlie Fawlkes (bs),
Tony Bennett (vo)

 

NYC, Jan 3, 1959 (11)
NYC, Jan 5&6 1959 (1-10,12)

カウントベイシーorch.はシナトラやサミデイヴィス、ビリエクスタインなどの一流歌手が最も共演したがったオーケストラ。女性歌手ならエラやサラ、といった大御所もレコーディングしている。その他個人的にはビッグジョーターナーやテレサブリュワーとの共演盤などが良かった。なかでもとりわけベイシーと相性の良い男性歌手はと言えばこのトニーベネット。派手なビートをきかせたベイシーのオーケストレーションにはがねのようなベネットの声。素晴らしい、の一言。まるで専属歌手のよう。互いのリスペクトと激しい個性のぶつかり合いが名盤を生んだ。歌伴が得意でないベイシーはピアノを弾かず、ベネットお抱えのラルフシャロンがピアノとアレンジを担当しているらしいが、いずれにせよベイシーとのコラボレートにはかわりない。お勧めの一曲はアーユハヴィンエニファン。押し寄せるブラスの波と呼応するかのようにナッツ!!と叫ぶベネットを聴けばお得な買い物をしたと思うはず。
カウントベイシーがスウィングすりゃあ、トニー・ベネットがシングする。という駄洒落みたいなタイトルなのだけれども、トニーという人のCDのタイトルに、本当にぴったりだと思う。
あまり、このトニー・ベネットという人は、日本では有名ではない。『ブルー・ベルベット』や、『思い出のサンフランシスコ』という古い曲をもってこなければ、分からない人がほとんどだけれども、アメリカニューヨークではとても有名な歌手で、グラミー賞を何回もとっている。
明るくて、アドリブの効いた歌い方をし、ちょっと高めの、それでも地のとても強い声を出す人で、自分の歌でも見せてくれるけれども、この人は相手をするバンドの音楽をとても大切にする。ライブなどをDVDで見ると、それがわかる。
今回のCDの曲をいくつか紹介しよう。  
まずは、ライフイズソング。 人生ってのは歌みたいなものさ。って感じの歌。からっとした中に、哀切のこもった歌声で非常に丁寧に熱唱している。ベイシーの方も、徐々に盛り上がっていって、最後には、トニーのー、『ラアィィィフゥウウ ア ソー―――ング!!』と歌い上げて終わり。余韻が残ってとてもいい。  
次、ウィズ プランティー オブ マネー オン ユー。 これは、日本では金っていうのがあまり歌にならないが、アメリカでは歌になるという微妙な文化の差を味わうことができる。トニーは、てとも早口で初め、まくしたて、だんだんゆっくりになって、最後に歌い上げるのであるが、ここらへんの自在な緩急にもう感激する以外ない。しかも、ベイシーの演奏は間奏になると、何故か『スウゥイート ジョージ ブラウン』になってしまうし。。(笑)。ここら辺が、ジャズを聴いているときの楽しみなのであろう。まあ、とにかく金がたくさんあって、その上で君がいりゃあ、天国よ、ヒャッホー!みたいな明るい歌である。
ジーパー クリ―パーズ。 これもトニーらしさが出ている。これは確か南部の歌で、様々な人のカバーがあって、まあ、サッチモとかもやっているのだけれども、トニーのは底抜けに明るい。ベイシーも、底抜けに明るく乗っている。しっかし、歌詞が同じなのに、様々な歌い方があるものだと感心する。トニーも同じ歌詞を2回繰り返すが、2回目の方がゆっくりとしていて、ベイシーの演奏を際立たせている。トニーは歌っていても、ものすごく存在感のある人なのだけれども、引き下がるときは、すぐに引き下がって、演奏を聞かせてくれるのである。これはやはりベテランだからできる技である。そして、こういう唱法が最高だと、思っているから80年代の不遇時にも、パンクやロックに行かなかったのだ。  
アー ユー ハヴィング エニ― ファン。 まあ、お菓子でも食いながら楽しんで♪というような歌。途中で、みんなで、「ナッツ!!」というのがいい。何回もきいていると、序盤あたりの神技的な導入のしかたに、感心する。歌っているんだか、演説しているんだか、わからないこの緩急は、それでも、確実に演奏と歩調を合わせている。もう、歌手がとか、演奏がとかが関係なく、完全に同歩調。日本のジャズシンガーで、ここまでやれる人がいるかどうか。まあ、いないだろう。
エニ― シング ゴーズ。 コール・ポーターの一番有名な曲。これも腐るほどカバーがたくさんあるが、トニーは途中に、「タラッリーラ ラーラーラーラー♪」とスキャットを入れたり、ちょっと遅らせて、力を抜いて歌ってみたり、本当に遊んでいる。けれども、たんなる遊びではなく、遊びでありながら熱唱している。もう、まさにトニーだ!以上の曲は視聴できるらしいので、論より証拠。視聴してほしい。

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