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  Because

世界的ジャズ・ピアニスト山中千尋の、代名詞とも言えるピアノ・トリオ編成で取り組むビートルズ・トリビュート・アルバム。CDデビュー10周年(2012年時)記念作。敬愛してやまないザ・ビートルズの有名曲と、ザ・ビートルズにインスパイアされて作曲したオリジナル曲や、編曲した有名ジャズ・スタンダードを収録。
Beatlesマニアの方には受け入れにくい解釈=演奏かもしれません。Becauseを聴いたときには驚きました。オリジナルの雰囲気とは随分違います。ガーシュインもちらほら見え隠れします。山中千尋らしいといえば山中千尋らしい。Yesterdayは、納得の演奏で楽しめますが、やはり名曲ですね。どの様な演奏も受け付ける曲です。付属のDVDはスタジオテイクの映像。これはこれで楽しめます。16:9のワイド画面、且つ、綺麗な画像です。どこ製のいつ頃のpfを使っているのか気になります。DVD付きでコストパフォーマンスは高いと思いますが、★一つ減じたのは、ビートルズ・ファンの方に合うかどうか不安ですので。キャッチ・コピーの通り、「こんなBeatles聴いたこと無い。」です。ドラムのジョン・デイヴィスとの相性は今回もピッタリ。

1. Because
2. Yesterday
3. For No One
4. Insight Foresight
5. Here, There And Everywhere
6. The Imprints / Drive My Car / The Word

   ( 愛のことば )
7. It Was A Beautiful 8 Minutes Of My Life
8. Your Mother Should Know
9. Honey Pie
10. Michelle
11. Yesterday

山中千尋 ( Chihiro Yamanaka ) (p,syn,org,g,ukulele,melodica)
中村恭士 ( Yasushi Nakamura ) (b)
John Davis (ds)
John Nollen (tabla)

 

Recorded 2012.05

”Because”からいきなり全開のChihiro Worldだ。やっぱお行儀よい顔は彼女には似合わない。転調、転拍子、変拍子、表裏異なるリズムなど変幻自在にドライブするサウンドに乗ってピアノ、B-3を弾き捲る。数曲でフューチャーされるタブラはBeatles ”ゆかりの”インド音楽とともに大西順子の”Baroque”からのインスパイアも感じる。”Yesterday”ではギターを(何故このスタンダードに?)シタールっぽい音響効果のために用いたり。そして意表を突く超スローボール”Honey Pie”では何とハーモニカまで奏でる。(でもこれが一番オリジナルに近い表現なんだけど...)彼女はプレイヤーとしてももちろん素晴らしいが、パロディとかシニカルとかのスパイスと特異なリズム感覚を持ったオリジナリティ溢れる音楽の構築家であることを再認識した。聴き返すほどに高まる疾走感。 ...喪失感。そしてまたPlay on!!

 

単純に「何を選曲したんだろう?」という興味本位での入手。もっとも「Heare,There and Everywhere」が入っていたらというのも理由の一つではありますが。もちろんビートルズの楽曲のみではなく彼女のオリジナル曲も収録されています。ビートルズが好き、という人よりは、昔、ビートルズを聴いていた、聴いたことがあり、かつ現在はJazzが好きな、山中千尋が好きな人たちに対してのアプローチのように感じます。なぜ、この曲を選んだのか、ということが一番知りたいのですが、あいにくCDジャケットにはその解説はまったくなく。(もちろんLiveではお話いただけるものとは予想していますが)コストと締切の関係もあるのでしょうが、「Yesterday」なんて完全に聴く側の予想を裏切ってくれるくらいの斬新な切り口で攻めていっていますので、限定版と銘打っている以上はつけていただければよかったと思います。で、一方で、ポールがスタンダードを歌うアルバム(キス・オン・ザ・ボトムなんてものを今年発売しているわけで、どういうわけだか同じ年に発売されているのも偶然にしろ面白いです。そんな中での9月から始まる日本国内ツアーにおいては収録曲のみならずファンからのビートルズリクエストにも応える予定とのこと。どんな曲が選ばれるのか楽しみです。

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