早速聴いてみましたがライブということもあってか意外なほど二人ともスイングしており、息のぴったり合った見事な演奏を聴かせてくれます。ジャズという枠にとらわれない自由闊達なメロディ・ライン、はっとするようなインプロビゼーション、そして二人の持ち味である美しいソロ。二人とも亡き今、これは貴重な記録であると思います。
中ジャケの冒頭には二人を敬愛してやまなかったパット・メセニーが献辞を寄せていますが、まさにそのとおりだと思います。
"What a treat it is to hear two of my two favorite personal duet partners playing in a setting like this! This is a recording for ages."
一曲目のセロニアス・モンクの「ベムシャ・スイング」冒頭のスイングするヘイデンのベース・ソロ、そしてそれに滑り込むように入ってくるジムのウォームで独特の音色のギター。これだけでもう鳥肌が立ってしまって買ってよかったと思いました。二曲目のヘイデンの美しいナンバー「ファースト・ソング」はジムの味わい深くメロディアスなギターソロがとても印象的です。ヘイデンは次のように述べていたそうです。
"Jim got an amazing sound out of the guitar. It didn't sound like anybody else, it was just him, It was beautiful to plya with."
彼そのものの誰にも真似出来ないギター、最大の賛辞ですし、それに相応しい演奏だと思います。
三曲目はオーネット・コールマンの作品。先日私が感動したパット・メセニーのライブでもオーネット・コールマンを尊敬するパットの華麗な演奏を聴くことができましたが、この「静」のイメージの強い二人のスイングも素晴らしいもので、パットの賛辞もむべなるかな、という感じです。四曲目「身も心も」は説明不要のスタンダードナンバー。11分もの長い演奏ですが、ジムのメロディラインの裏を取るヘイデンの演奏、そして美しいソロが印象的です。素人の平凡なインプレはこの辺にしときましょう。8曲とも文句なしの好演です。最後にチャーリー・ヘイデンの自身のクレジットを紹介しておきましょう。
"I would thank Jim Hall for his lovely playing. It was always a pleasure to improvise with him." |