ミッチェルのオリジナル「Fungii Mama」は、カリプソ風のリズムで大好きな曲です。1964年のチック・コリアが聴ける、というのが大きなポイントですね。ファンキーな中にも、後のスタイルを思わせる硬質な部分もあって、既に独自のピアノを確立しつつあるようです。ドラムがアル・フォスターというのも興味深い。新人の二人に、ミッチェルやテナーのジュニア・クックも快調に飛ばす楽しい作品。ブルーノートらしいジャケットも秀逸です。
ブルー.ミッチェルには誰もがひれ伏してしまうような名盤みたいなのはないんだけど、とても良く歌うソロを吹く人なので人気盤が多いんですよね。これなんかも代表的な一枚。このアルバムはチック.コリアとアル.フォスターという当時無名の若手だった2人が参加しているのがポイント。特にコリアのChick's tuneみたいな曲相のものはブルーにしては珍しいんですよね。同世代だと簡単なアンサンブルでせーの、って録音しちゃうようなセッションが多いんだけど、こうした若手の曲なども取り込むことでいつもよりちょっと意欲的なブルーが聴けるんですよね。オープニングの funjii mama は人気のある曲だし、ジミー.ヒースのバラードなんかも歌心の溢れる良いトラックです。ホレス.シルヴァーが若手をどんどん引っ張ったように、ブルーとジュニア.クックも若手のリズム隊を引き上げようとしたのかなぁ、っていう気にもさせられます。KDみたいな陰影が良くも悪くも少ないのもブルーの人気の一因なのかもしれませんね。演奏家志望の人はブルーの歌い方をきちんと研究すること。美味しいフレーズが沢山並んでいますよ。 |