ブルーミッチェルと言えば、どこか影があって、しかも柔らかいトーンを紡ぎ出す日本人好みのプレイヤーとして知られているのでは、ないのだろうか。実際彼のワンホーンの「ブルースムース」は、哀愁に満ちたバラードを聴けば瞭然たるものである。このアルバムの「ダウンウィズイット」の注目は、日本を代表するトランペッター日野皓正の「アローンアローンアンドアローン」ではなかろうか。この美しいバラードナンバーをミッチェルはみごとの歌い上げている。相方のジュニアクックとの相性は今さら言うまでもない、ホレスシルバークインテットの同僚。そして若き天才、チックコリアの姿がここにある。ミッチェルのもの悲しげな雰囲気をそっくりそのまま受けて、演奏する姿は、ただこの「素晴らしい」の一言で尽きる。ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)、チック・コリア(p)、ジーン・テイラー(b)、アル・フォスター(ds)1965年7月14日
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