72年パリ未発表ライヴ"Vol.3"と同じ内容のもので、原盤は非常に入手困難。格調高いエヴァンスのピアノを捉えた"品のある"ステレオ音源は文句なしだが、音の素晴らしさが"アダ"となった作品でもある。堅実にサポートするモレルはいいとして、ゴメスがエヴァンスと同等、場合によっては前面に飛び出す鮮明なベースの音が…トリッキーにチョッカイを出すからストレスが溜まる。
エヴァンスに関しては、胸に突き刺さるようなバラードや、冷たく疾走する鍵盤にゾクゾクさせられる。その反面「アルフィー」は原曲をさほど崩さず演奏しているが、本来は感動の教科書のような歌なのに、そういうものが全然伝わらない野暮ったい演奏に聴こえる。ハート・ウォームで貫禄タップリな「Waltz For Debbie」は興味の対象外に。ラファロの頃のような"しおらしさ"が失われている。最後に…やっぱり「Nardis」は最高だ。
1. Elsa
2. Detour Ahead
3. 34 Skidoo
4. Alfie
5. Peri's Scope
6. Blue In Green
7. Emily
8. Who Can I Turn To
9. Some Other Time
10. Nardis
11. Waltz For Debbie
