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  At the Pershing

Full Album   

シカゴにあるPershingというホテルで行ったライブを収録した作品です。この作品は発表当時、ジャズ・アルバムとしては異例のヒットを記録したそうです。ビルボードのアルバム・チャートで107週に渡りランク・イン。当時は1ヶ月のレコード販売数が15,000〜20,000枚でビッグ・ヒットと呼ばれたそうですが、この作品は最盛期にはひと月で47,000枚売れたとのこと【参照:英語版ウィキペディア Ahmad Jamal At The Pershing : But Not For Meの項】。今作のヒットの結果、ジャマルはシカゴにあるクラブ兼レストラン”アルハンブラ”のオーナーとなったそうです。ツアーに出ているとき以外は、この店でライブを行っていたそうです。もちろん、商業的成功と作品の魅力は必ずしも比例するとは限りませんが、より多くのリスナーを獲得したということは、ジャズ・ファン層以外にもアピールしたということはたしか。ですので、聴きやすさ/わかりやすさを持つ作品ということは言えるはずです。また、この作品にはこの後ずっとジャマルの代名詞となるある曲が収録されております。6曲目に収録されていいる"Poinciana"という曲です。

 

 1. But Not For Me
2. Surrey With The Fringe On Top
3. Moonlight In Vermont
4. Music! Music! Music!
5. No Greater Love
6. Poinciana
7. Woody 'N You
8. What's New?

Ahmad Jamal -- Piano
Israel Crosby - Double bass
Vernel Fournier - Drums

 

Recorded 1958

この曲自体はジャマルが書いた訳ではなく、1936年に発表された作曲Nat Simon/作詞Buddy Bernierによるキューバ民謡を基にした曲。ベニー・グッドマン楽団が好んで演奏した曲とのこと。初めて聴くと、単調で地味な曲に聞こえるかもしれません。ですが、繰り返し聴いていると、徐々にハマっていくはず。もしかすると頭にこびりついて離れなくなります。ふとしたときに思い出し、頭の中がこの旋律でいっぱになってしまうことも(私だけかもしれませんが)。先ほど引用したジャマルの言葉「やりすぎないことこそ重要」。いわば”省略の美学”。やはりこの説明がヒントです。やはり英語版ウィキペディアからの引用ですが、ジャマルはセロニアス・モンクに影響を受けており、後のビル・エバンス、ハービー・ハンコック、マッコイ・タイナーらに影響を与えたとする論評があります。これが事実かどうかは不明ですが、たしかに独特の”間”を持つプレイヤーばかりですので、系統は同じ。ダイナミックでアクロバティックなテディ・ウイルソン、アート・テイタム、オスカー・ピーターソンとは毛色が異なるピアニストということは言えます。彼らのようなタイプは、わかりやすさ抜群。ロック・ギタリストで言えば、早弾きのようなもの。一方、ジャマルのような独特の”間”で勝負するタイプは、多少インパクトに欠けてしまいます。同じくギタリストで例えればライ・クーダーのようなタイプでしょうか。このタイプの演奏家は、早弾きが出来たとしても敢えてしないことを選択しました。「やりすぎないこと」こそが重要と考えたのでしょう。タイプの異なるピアニストが多数存在することこそが、ジャズというジャンルを豊かにしてくれている訳です。アルバム・タイトルにもなっている"But Not For Me"は1曲目収録。ガーシュィンの曲で、スタンダード。

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