Full Album
ビル・エヴァンスのCDで、一番好きなのがこの録音です。ものすごくいい音楽なのです。タイトルから想像されるようなイージーなジャム・セッションとは全然違って、ものすごく練りこまれたアレンジを聴くことが出来ます。サックスがズート・シムズという人で、ギターがジム・ホールという人。ジャズって、周りが全然見えていなくて、自分の演奏がアンサンブルを壊している事にも気づかずに「俺が俺が」と演奏しまくってご満悦、みたいなプレイヤーに出会う事も少なくないんですが、この人たちは違います。自分がどういう役割を演じれば音楽は良くなるか、こういう事を考えられる人たち。この人選も見事だったと思います。アレンジの見事さを言葉で説明するとすれば、例えば、サックスとピアノとギターが輪唱のようにテーマを引き継いでいく曲。ジャズは随分聞いたんですが、こうした形式で演奏された曲って、ちょっと他に知りません。
1 Loose Bloose (take 3) 2 Fun Ride 3 Fankallero 4 Time Remembered 5 Fudgesickle Built For Four
Bill Evans (pf) Zoot Sims (ts) Jim Hall (g) Ron Carter (b) "Philly" Joe Jones (ds)
Recorded in 1962 (Riverside Records), released in 1992.