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 Homecoming

 

Full Album   

Full Album 2   

1980年にBill Evansが亡くなって以降、今日に至る迄、実に膨大な数の未発表音源が発掘されてきた。本作もそんな中の一枚で、晩年Evansが在籍していたFantsy〜Milestoneレーベルからのいわゆる公式盤。Evansが若き日に学んだ南ルイジアナ大学でのおよそ卒業以来30年ぶりとなる凱旋公演の模様を収録した音源。音質的には決してそう悪いというほどではないのだが、大学の講堂の様なホールのためか残響で音像がややぼやけた印象でもあり、録音バランスもあまり良いとは言い難い。Evansの音源ということでついつい耳をこらして聴いてしまうせいかもしれないが、テープ録音によるノイズも結構気になる、近年ではかなり高音質のBootleg音源が多く、デジタル・リマスターを施す際に丹念にノイズを消す処理等もされている様で、そういった意味から言えばBootleg並かそれ以下といった程度と言っていいのかもしれない。

 

1.Re: Person I Knew
2.Midnight Mood
3.Laurie
4.Song From M A S H (Suicide Is Painless)
5.Turn Out The Stars
6.Very Early
7.But Beautiful
8.Porgy (I Loves You Porgy)
9.Up With The Lark
10.Minha (All Mine)
11.I Do It For Your Love
12.Someday My Prince Will Come
13.Interview With Bill Evans By Rod Starns

Bill Evans (p)
Marc Johnson (b)
Joe LaBerbera (ds)

 

Recorded 1979.11

久しぶりの母校という事もあってかEvansはリラックスした様子で、曲間には自らマイクに向かって楽曲の紹介等も行っている。メンバーは所謂Bill Evansのラスト・トリオと言われるMarc Johnson(B)〜Joe LaBerbera(Ds)を従えたトリオである。クラブ・ギグやツアー等を通じて大切に育ててきたこのトリオもかなり熟成度を増してきており、絶妙の呼吸で一体感のあるプレイを展開しているが、どうもPAを経由した音の様で、本来のト0ンや微妙なタッチ等は必ずしもしっかりと拾い切れていないのは少々残念なところ。演奏は全体的に極端に速度を変化させたり、ソロ、デュオ、トリオと自由自在に編成を使いこなす様な演奏ではなく、親しみやすさや解りやすさという部分にも十分に気を配った標準的な演奏といった感じがする。
収録日は1979年11月6日ということなので、この年の秋から冬にかけてのヨーロッパ・ツアーの間を縫っての公演ということの様だ。従って多数出回っているこの前後のヨーロッパ公演の演奏曲と基本的に大きな違いはない。晩年のこのトリオによる定番ともいえるレパートリーがずらりと並んでいる。Evansもメンバーの状態も良好の様で、やや無難で標準的な演奏ではあるものの、全くの手抜き無しのハイ・クオリティな演奏を十分に堪能することができる。それだけに、せめてPAの宅から直に録っていればと残念でならない。まあ、追悼盤の空気を演出するために意図的にエフェクト処理された音源等よりはましかもしれない。他の音源に較べてドラムスのバランスがやや大きめで、LaBerberaのドラミングが非常に聞き取りやすいのは意外に良いかもしれない。あまり評価されていないがこのJohnson〜LaBerberaのリズムは非常にしなやかであり、Evans自慢のトリオだあったことが十分にうかがえる好演奏だ。ラストのインタビューもなか長い間お蔵入りになっていた「On Green Dolphin Street」が話題になっていたりしてなかなか興味深い。

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