「ワルツ・フォー・デビイ」と同日録音のライヴ版です。当然音質や演奏の雰囲気などは、この2枚は共通しています。ですから、「ワルツ・・・」を気に入った方は当然こちらも違和感無く聞くことが出来ます。ちなみにベースのスコット・ラファロは、この演奏の後まもなくして事故死しています。アルバムの最後の曲はこのラファロの作曲によるもので、彼にとってこの曲が人生最後の演奏となります。長めの曲が多いので、ラファロやメンバー個々のソロも堪能できます。エヴァンスがお好きな方には「ワルツ・・」と共にお奨めの一枚です。
リバーサイドレコードの共同経営者であった名ジャズプロデューサーオリンキープニュースによるヴァンガードライブのリイシュー盤。まずは、ジュエルケース仕様のCDケースがとってもお洒落で綺麗。CDをケースからはずすと、そこにはグラス片手に上機嫌なプロデゥーサーのワンショット。リファインされたオリジナルジャケット写真に、キープニュースの巻頭言。ライナーの裏表紙に記載されたオリジナルライナーノーツは字が小さくて虫眼鏡がないと読めないが、2ページ目から大きい字体で復活していて簡単に読めるようになっている。その後には、キープニュースによるSunday At The Village Vanguard Revisitedのニューライナーも付いている。当時の裏事情ーギャラや薬にまつわるラファロとエヴァンスの軋轢ーその他もろもろが書かれていて興味深い。
次にーこっちのほうがずっと重要だがー音質向上が凄い。エヴァンスのピアノの高音は透き通った水のようにクリアーで、低音は鐘の音のようにぶっとく響き渡る。モチアンのドラムスは柔らかさと音幅を増し、ステイック捌きの強弱が手に取るようにわかる。ラファロのベースは音の輪郭がグット明確になり、まるで弦のしなりが見えるかのように繊細でメロディアス。ラファロのリリカルなベースが中心で、エヴァンスのピアノがその後ろで美しいメロディを紡ぎ出し、モチアンが上質なスィングビートを生み出す。この三者のバランスが良く取れていて、ヴォリュームをどんどん上げていっても、日本製リマスターCDのように音質が悪くなっていくところもない。此処までファラロのベースの音がクリアなヴァンガードライブは初めて聴いた。クレジットによるとJOE TARANTINOによる24bit remasteringだ。最上の音質でヴァンガードライブを楽しみたい人は是非どうぞ。
一応、ヴィレッジのライブ盤二枚からセレクトしているみたいなんですが、お客様ノイズが全くと言って良いくらい無い!なんで?ビル・エバンスのピアノの音は変わらないんですが、スコット・ラファロのベースは下の方までしっかり出ていて音の輪郭もクリアになってる、ポール・モチアンのブラシのやハイハットも凄いキレいで… 前は二枚ともXRCDだったんだけど、何だかベールが一枚も二枚も剥がされた感じの明瞭さです… いやぁ何か凄い、雑音が無いんで演奏に集中できます… 何曲か抜けてますけど仕方ないです、我慢できます。曲のつなぎの不自然さも全く無い… 二枚買いたくない人なら間違いなくオススメですね。
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